顔面神経麻痺
これらのことが、喜怒哀楽の表情を作ることもままならないことに加えて、徐々に現れはじめてきたら・・・ それは、顔面神経麻痺の徴候かもしれません。
顔面神経麻痺の原因
顔面神経は、脳神経と呼ばれる12種類ある神経のうちの1つで、脳神経の名前の通り、脳に近い所からスタートします。その枝は、色々と分岐し、表情筋(顔の筋肉)・涙腺(涙の分泌)・鼓膜に連なる筋(聴覚の調整)・舌(味覚のコントロール)など、様々な器官の働きの調節に関わっています。
そのため、顔面神経の支配する表情筋の麻痺だけでなく、涙が出すぎる(逆にドライアイも)、耳の聞こえが悪くなる、あるいは聴覚過敏、食べ物の味が判りにくいなどの症状が現れる場合もございます。
顔面神経麻痺は、脳に近い所が原因となる中枢性のものと、顔に近い所に原因が疑われる末梢性のものに大別されますが、日常よく見受けられるものとしては、ベル麻痺(全体の60~70%を占める)やハント症候群などと呼ばれる末梢性のものになります。
ベル麻痺は、明らかな原因が見当たらないことが多いのですが、ハント症候群では、ヘルペスウイルスが原因となることが多いため、帯状疱疹様の発赤・発疹が耳の周囲に現れやすいという特徴があります。
*末梢性顔面神経麻痺では、額のシワ寄せが不可能になります。シワ寄せが可能だが麻痺している場合は、中枢性の可能性もございますので、医療機関の受診をお勧めいたします。
ご自宅で出来る顔面神経麻痺の緩和法
顔面神経麻痺には、ベル麻痺のような、原因の特定しにくい特発性のものが多いのですが、寒冷刺激や、ストレスなどが発症の引き金となることもございます。
冬場であれば、顔に冷たい風が当たらないように、衣装の工夫をすることが大切です。
ストレスも、原因となりそうなものをすぐに除去できるといいのですが、特定しにくかったり、なかなか難しいかもしれません。何かについて考え込んでいると気分が滅入る・・・というときは、原因となり得るストレスに苛まれているサインなのかもしれません。上手に気分転換を図り、意識をそらす工夫をしていきましょう。
麻痺している顔側の筋肉につきましては、鏡を見ながら、顔全体でいろいろな表情を作ってみて下さい。動きがある側と全く同じ動きが出来なくても大丈夫です。麻痺がない側の動きに、少しでも動かし方が近づくように、まずは意識して指令を送り続けることが、麻痺を長引かせないためのコツになります。これは、神経ー筋促通法という、れっきとしたセルフ訓練法になります。
有隣館日暮里鍼灸整骨院ならではの顔面神経麻痺治療について
当院では、顔面神経麻痺に対して、鍼(灸)治療をおすすめしております。
症状の出始めの時期は、麻痺している筋肉の血流改善を目的とした治療が中心となります。身体の他の部分の筋肉に比べ、顔の筋肉(表情筋)は、小さく、厚みのないものがほとんどです。とてもデリケートな場所にもなりますので、細く、短い鍼を使用していきます。
2週間前後経過するころからは、鍼を少し長めのものに換え、低周波治療器をつないだ通電治療を行う場合もございます。こちらは、麻痺した筋肉が失いかけていた、本来あるべき収縮力を取り戻すために効果を発揮します。顔を中心とした治療になりますが、首・肩周りのこり具合も影響してきますので、併せて治療してまいります。
鍼灸治療に加えて、スーパーライザーという、光線治療器の併用もお薦めしております。こちらは、麻痺した部分への血流改善のサポートを目的とした、自律神経系のバランス調整機器になります。喉仏の下あたりに、照射装置を当てるだけですので、痛みは全くございません。
もちろん、鍼(灸)治療も、ほとんど痛みは感じませんので、ご安心下さい!