むちうち(外傷性頚部症候群)
むちうちの原因
むちうちは、交通事故の追突時に急な衝撃によって首が通常の可動範囲を超えて前後にムチがしなるように過屈曲ー過伸展を強いられることで起こります。
頚椎・筋肉・靭帯・神経などが傷つけられてしまい、首を中心に様々な症状が出現します。
むちうちの初発症状
- 首・肩の痛み
- 首がまわらない
- 頭痛・吐き気
- 背中・腕・腰の痛みやしびれ
- 耳鳴り
- めまい・眼精疲労
むちうちの初発症状でよく見られるのが首の痛みや違和感を訴える症状ですが、それ以外にも上記のような症状が挙げられます。
むちうち症とは一見関係ないように思われる症状もあり見過ごされがちですが、交通事故などの強い衝撃を受けた後にこのような症状が現れた場合はむち打ち症と疑いましょう。
また、事故時には自覚症状がなかったけれど数日後に症状が表れる場合や、時間が経つにつれて悪化するケースもあるため痛くなるまで放置してしまい、治療が遅れてしまうということも多々あります。そのため、出来るだけ早期に治療院で受診することが大切です。
後遺症の危険性
むちうちの「後から症状が現れることがある」・「数日後に症状が悪化する」という特性により治療にあたるのが遅れることで後遺症が残ってしまう可能性もあり得るのがむちうち症です。
肩や首、背中・手足などの痛みやしびれが治らず一生涯残ってしまったり、身体の可動域に制限が出たり、脳の障害が残ってしまうということもあります。
早期に治療を開始することが後遺症の対策となりますが、それでもむちうち症の深刻度により症状が残ってしまう場合も考えられます。
交通事故によって後遺障が残ってしまった場合、条件を満たすことで「後遺障害等級認定」を受けることができます。これにより後遺障害に対する慰謝料を請求することも可能です。
しかしながら後遺症が残ってしまえばその後の人生は辛く悲しいものとなってしまうでしょう。
何よりも、後遺症が残らないように早期に治療を受け、完治させることが大切です。
むちうち症の種類
交通事故にあった際、よく呼ばれる「むちうち」という症状は、実際の診断名とは異なります。
「むちうち」の種類は以下の5つの種類に分かれており、それぞれ異なった特徴があります。
- 頚椎捻挫
- 一般的にむちうちと呼ばれる症状がこの「頚椎捻挫」となります。交通事故の際に表れる症状として最も多く事故の衝撃で首がムチのようにしなることで、筋繊維と人体が損傷します。首のコリや痛み、また、めまいや頭痛などを訴える方が多いです。
- バレ・リュー症候群
- 症状が自律神経まで及んだ際に表れるものを「バレ・リュー症候群」と呼びます。直接的な痛みの他、吐き気やめまい、脱力感など、身体の内部から影響する症状も見られます。
- 神経根症状
- 神経根と呼ばれる神経の根が損傷した際に呼ばれる症状です。神経が直接損傷してしまうため、手足のしびれを訴える場合があります。
- 脊髄症状
- この症状はその名の通り「脊髄」が事故によって損傷してしまう症状です。特徴は下肢にしびれが見られることで、歩行に障害が残ってしまう場合も見られます。
- 脳髄液減少
- 事故で受けた衝撃がきっかけで、脳から脳髄液が流れだす症状です。交通事故の際にはほぼ見られない症状ですが、一般的なむちうちの症状にあわせて、脱力感や五感の障害などが見られます。
むちうち診療のためのガイドライン『ケベック報告』
むちうち症は見た目やレントゲンだけでは症状や深刻度を計ることができない特性があるため判断しづらく、このため治療にあたるのも遅れてしまうことが多々あります。
この特定が難しいと考えられているむちうちの症状をガイドライン化したものが『ケベック報告』です。
『ケベック報告』はカナダ・ケベック州むち打ち関連障害特別調査団体が科学的検証に基づいて作成した、以下のようなガイドラインです。
- Grade0
- 頚部に訴えがない。徴候がみられない。
- Grade
- 頚部の痛み、こわばり、圧痛のみが主訴。
- GradeⅡ
- 頚部の痛みと筋肉・関節の症状(可動域の制限など)と圧痛が主訴。頭部・顔面・後頭部・肩・腕への症状の広がりがみられる。
- GradeⅢ
- 頚部の主訴と、神経学的所見の現れがみられる。脱力感・力が入らない・痺れ・皮膚の感覚が鈍いなど。
- GradeⅣ
- 頚部の訴えに加え、骨折・脱臼がみられる。
※ 頭痛・めまい・吐き気・耳鳴りなどの、自律神経系の不調を示唆する徴候は、全てのGradeで出現し得るとされています。
重症度によって5段階にレベル分けされ、症状に応じた治療法が明確化されているため的確な治療にあたることを可能としています。
荒川区日暮里の有隣館日暮里鍼灸整骨院においても『ケベック報告』を参考に治療にあたっています。
しっかりと検査をし、患者様一人ひとりに合ったむちうち治療を行います。
ご自宅で出来る「むちうち」の解消法
自宅で簡単にできるセルフ整体術を紹介します。
首周りの強張り感が強い場合には、市販のホットパック(ゼリー状のものや、活性炭が入っているもので、電子レンジで何度も再加熱できるもの)などで、患部の周辺を少し温めてから行ってください。
ゆっくりと、
- 首の前屈ー後屈を行う
- 左と右へ首を捻る
- 左と右へ頭を倒す
以上の動きの中から、苦痛を伴わずに動かせる方向を、それぞれ見つけ出してください。
例えば、前ー後屈のうち前屈が比較的楽に動かせると仮定します。
姿勢を正している位置で、両手の指を組んでおでこに当てて、ゆっくりと首を前屈させていきます。ある程度前屈したら、おでこに当てている手で反対方向にわずかに抵抗をかけます。そのまま5秒前後、その格好を維持します。これを、ゆっくり3~5回繰り返してください。振り向く動きや頭を傾ける動きも同様に動かしやすい方向を見つけたら、今度は逆方向に少しばかりの邪魔をかけてみましょう。(首ねじりや頭倒しの際は、片手を耳の上あたりに当てて邪魔をします。)
決して、力勝負を挑まないで、ゆっくりやさしく行いましょう。普通に動かして痛む方向には行わないでください。むちうちが悪化する恐れがあります。
荒川区 日暮里の有隣館日暮里鍼灸整骨院ならではのむちうち治療
むちうちにまつわる症状の中でも、首・肩周りの強張り感や動かしにくさが際立つのではないかと思われます。
むちうちの症状が長引くケースにおいては、上下の頚椎をつなぐ関節である椎間関節という部分の損傷が、大きく関わってくることが指摘されています。
荒川区 日暮里の有隣館日暮里鍼灸整骨院の施術
荒川区日暮里の有隣館日暮里鍼灸整骨院では、理学療法(手技によるもの)や物理療法(超音波、経皮的低周波通電など)によるアプローチで、むちうちによる首・肩周りの過緊張の緩和に努めさせていただきます。また、深部に存在する椎間関節部に対しては、よりダイレクトに刺激を加えるために鍼治療をお勧めしております。
ケベック報告を参考にした鍼治療
重症度分類のケベック報告のGrade0~GradeⅢのケースにおいては、鍼治療での効果が十分期待されるとされています。深部まで治療を行うことにより関節の可動域を正常に戻し、痛みや不調を取り除きます。
患者様に合わせた治療法を用意
その他にも、頭痛・めまい・吐き気・耳鳴りなどの、自律神経系の不調による随伴症状が認められる場合には、スーパーライザー(喉もとにある、自律神経細胞の集合体への光線照射)を使用することで、頭部・顔面及び全身的な不快な症状の緩和を促進いたします。
患者様の状態に合わせた、苦痛を伴わない治療法をご提案させていただきますので、むちうち治療に関する不安や疑問がございましたら、日暮里の有隣館日暮里鍼灸整骨院まで遠慮なくご相談ください。