膝の内側の痛み(鵞足炎)
膝の痛みに悩まされていませんか?
その痛む場所も、膝のお皿を中心にして、
上・下・外側・内側と、場所は様々だと思われます。
その痛みの出やすい場所によっても、
原因はいろいろと考えられます。
今回のテーマ、膝の内側の痛みについてですが、
この付近に痛みが出やすくなる原因としては、
一つ目は、加齢に伴って膝関節の形状に変化が現れる
変形性膝関節症(OA)というものがあり、
どちらかというと、ご高齢の方(特に女性)に
よく見受けられます。
二つ目は、若年層の方で、
陸上競技・サッカー・ランニングなどをよくされる方に
現れやすい、
鵞足炎(がそくえん)
というものがあります。
この鵞足の意味は、
アヒルや鵞鳥の水かきといったところです。
太ももの前側からの縫工筋(ほうこうきん)、
太ももの内側からの薄筋(はくきん)、
そして、
太ももの後ろ側からの半腱様筋(はんけんようきん)
という、
3種類の筋肉の腱が集まってアヒルの水かきのようになり、
膝の内側の下の方に繋がります。
これら3つの筋肉が、種々の理由で硬く凝り固まっている、
あるいは、陸上競技やランニングなどで膝の曲げ伸ばしを
頻繁に繰り返し過ぎることにより、鵞足の終末部付近に
炎症が起きてしまいます。
痛み自体は、膝の内側に出現するのですが、
その周りだけを治療すれば改善するかというと、
そうでもありません。
鵞足炎には、前出の3つの筋肉の硬さが大きく
影響してくるので、太ももの前・内・後ろの
硬さを緩和することが肝要になります。
そして、もう一つ大切なことがあります。
膝に痛みがあると、そこだけに注目しがちですが、
膝の上にある股関節と下にある足首の状態も
考慮する必要があります。
股関節と足首にある程度の柔軟性がないと、
膝にかかる負担が大きくなってしまうからです。
鵞足炎と思われる膝の内側の痛みの際には、
痛む部分だけでなく、
膝+股関節+足首と視野を広げての3点セット!
この観点からの治療が得策となります。