肘から手首までの外(親指)側が痺れる
腕や手指の痺れは、その出方や範囲にいろいろな
種類があります。
その原因として考えられる主なものとしては、
頸椎及びその近傍の問題、鎖骨の上下域、
肩関節の前側やや胸寄りなど多種多様です。
ですが、これらの場所を色々と検査してみても、
いまいち普段感じている痺れ感と同じような
忌々しい症状を再現できない場合もあります。
にもかかわらず、肘から手首までの外側が痺れて・・・
このようなときに、もう1カ所、疑わねばならない
場所があります。
それは、二の腕の前側の力こぶの筋肉がある所です。
ここにある主な筋肉として、
上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)
烏口腕筋(うこうわんきん)
上腕筋(じょうわんきん)
というものがあります。
*力こぶを作る筋肉は上腕二頭筋です。
これらの筋肉の中に、肘から手首までの外側の
痺れ感に関係してくるものが存在します。
それが、烏口腕筋という筋肉です。
どちらかと言うとマイナーな筋肉なので、
あまり聞き慣れない筋肉名かもしれません。
この烏口腕筋、
肩甲骨の前側にある烏口(うこう)突起という出っ張りと、
上腕骨の中間辺りとを結んでいます。
主な働きとしては、腕を前へ~ならえっ!の方向に挙げる、
何かを抱きかかえるような時の上腕の位置を維持するなど
になります。
普段の生活の中で、これらの格好をすることはそんなに
無いかと思われますが、類似する格好としては、
腕を宙吊りの状態で長時間PC作業を続けている、
車の運転をしているときなどの姿勢が挙げられます。
この姿勢を長らく続けていると、前出の烏口腕筋は、
ずっと収縮し続けることになります。
その結果、この烏口腕筋の隙間を通過していく、
筋皮(きんぴ)神経
という神経が締め付けられる状態が続くことになり、
この筋皮神経の抹消部であり、肘から手首までの
外側の痺れにも関与する、
外側前腕皮神経(がいそくぜんわん ひしんけい)
に沿った範囲にも影響が及ぶことがあります。
肘から手首の外側の痺れが気になるけど、
頸椎は異常なし、鎖骨の上下域も異常なし、
でも、腕の宙吊りが長時間続くことが多い
という方は、烏口腕筋を中心とした二の腕の
硬さの有無を確かめ、緩めていく価値が
あるかもしれません。