テニス肘
初期の症状は手首を動かした時に肘周辺に違和感を感じる程度ですが、
症状が悪化すると肘の痛みが出てきます。また、手首あたりまで痛みを感じることもあります。
この段階では肘のあたりを押すと痛みがあり、そこに腫れを感じることもあります。
日常生活においては、パソコンの入力作業や包丁を使う、ドアノブを回す、
タオルを絞るなどの動作で痛みを感じるようになります。
テニス肘(上腕骨上顆炎)は、テニスなどのラケットスポーツを行っている人によく見られるほか、
手を頻繁に使用する仕事や家庭の主婦にもよく見られます。
手首の使い過ぎによるところが大きいですが、その他にも筋持久力の低下や
筋柔軟性の低下も原因の一つになっています。
治療は原則保存療法を行っていきます。
局所の安静と物理療法、テーピングやサポーターを行います。
安静にしている間に、筋の持久力やブレーキ力の向上、筋の柔軟性維持・獲得、
そして肩や体幹のコンディショニングも併せて行っていきます。
ボールを打つ際に痛みが出ていれば、運動休止というよりも「ラケットを持たせない」などの
具体的な指導が重要になります。
競技の再開の目安は、左右押した際に痛みに差がなくなっていることです。
十分な安静をとらずに競技へ復帰してしまうと、かえって治癒が遅れてしまうほか、
再発もしやすいため、注意する必要があります。
練習前のウォーミングアップ(手首のストレッチ:伸ばしたい方の肘を伸ばし、
もう一方の手で手首を30秒ほど曲げます。痛みのない範囲で手のひら側・甲側両方行います)
と練習後のアイシング(氷嚢で1回20分程:凍傷に注意してください)とストレッチ
をしっかりと行い、筋疲労の回復に努めることが大切です。