むちうち後遺症のめまいと椎骨動脈
追突事故などによって、後ろからの急激な衝撃を
受けることによって生じる、むちうち損傷。
首が一瞬にして前後に大きく
揺すぶられることで、
頸椎はもちろんのこと、
靱帯・神経・筋肉など、
軟部組織にも被害が及んでしまいます。
損傷を受けた首以外にも、そこに関係する他の部分にも
いろいろな影響が現れることが多々あります。
頸椎(骨)、靱帯、神経、筋肉以外にも、
被害の及ぶ可能性がある器官があります。
それは、血管です。
どこの血管かというと、
頸椎の中を通過している血管です。
この血管を、
椎骨(ついこつ)動脈といいます。
この椎骨動脈は、頸動脈とともに、脳に新鮮な血液を送る
大切な血管になります。
頸動脈(脳に行く内頚動脈)は、首の前側にあり、
その周りには比較的柔らかい組織しかないため、
かなりガードが甘い状態にあります。
一方で、椎骨動脈はというと・・・
こちらは、頸椎の中を通過していきます。
要するに、骨に周りをしっかりとガードされた状態で
脳まで血液を運ぶので、それだけ大事な血管になるわけです。
全部で7個ある頸椎のうちの、1~6番目までの頸椎にある、
輪状のトンネルを通り抜けていきます。
ですが、追突事故などによる衝撃で、頸椎自体が、
その正常な可動範囲を逸脱してしまうと・・・
上下につながる頸椎をつなぎとめる靱帯などが、
無理矢理引き伸ばされたり、
周りの細かい筋肉が、急な引き伸ばされに対する反射作用で、
必要以上に硬く凝縮したりで、結果的に、
上下に連なる頸椎の正常な並びから、
ちょっとズレてしまうことにつながりかねません。
頸椎がズレるということは、当然、そこを通過していく
椎骨動脈の流れにも影響が及ぶ可能性があります。
その結果として現れる症状には、
めまい、耳鳴り、頭痛、肩こりなどがあります。
追突事故などの衝撃以外にも、頸椎の配列に影響を及ぼす
可能性があるきっかけがあります。
一つは、美容室などでのシャンプー台で、
仰向けになった時の姿勢。
もう一つは、スマホをずっと眺めている時の下向き姿勢。
追突時の衝撃ではないにしても、いずれも、
頸椎の過屈曲(下を向く)と過伸展(上を向く)という姿勢となり、
どちらの姿勢が長時間続き過ぎても、椎骨動脈の流れに影響するような、
頸椎の前後ズレにつながってしまう可能性があります。
頭周りをはじめとして、首、肩~背中、そして上肢に現れる症状は、
首の状態の良し悪しに大いに関係してきます。
少しでも、頸椎の配列を正しい状態に近づけることで、
椎骨動脈の流れに与える影響を減らすことも、
交通事故後の煩わしいめまいを含めた症状の緩和に、
つながる可能性があります。
横っ腹が辛い »