正座ができない(膝の痛み)
正座ができない・・・。
とはいうものの、
椅子やソファーに座る生活が
主流となった現在では、
日常的に正座をすること自体、
減りつつあります。
もちろん、職業柄、あるいは家でくつろぐのは和室で、
さらには、茶道・華道・書道・武道などの習い事を
されているという方は、正座をする機会も多いことでしょう。
この、正座ができない。
よく耳にするのは、
膝が痛くて正座ができない。
または、
正座をしようとすると膝が痛い。
このような、2つの表現をされる方が多いと感じます。
*もちろん、階段の昇り降りが辛い・・・などもあるでしょう。
かなりの確率で、正座と膝の痛みがセットになります。
この、正座と膝の痛みの組み合わせですが、
前側(膝のお皿側)が痛む場合と、膝裏側が痛む場合の、
2通りに分かれます。
膝を曲げようとすればするほど、お皿側の張り感が強まる・・・
このケースでは、太ももの前にある筋肉の硬さが災いします。
一方、膝を曲げるほどに、膝裏に何かが引っ掛かる、あるいは、
何かが詰まっているような感じがするという場合は、
太ももの裏の筋肉の柔軟性の低下が考えられます。
いずれの場合も、太ももの筋肉の硬さが邪魔となり、
膝の曲がりにくさ、痛み、正座のしにくさにつながります。
以上は、筋肉の問題による膝痛とのつながりですが、
膝関節を構成する骨同士の問題が、膝の曲がりにくさに
影響することもあります。
それは、
大腿骨(太ももの骨)と、
脛骨(スネの骨)の
位置関係です。
この2つの骨は、半月板をクッション役として挟み、
膝の曲げ伸ばしが円滑に行われるようになっていますが、
太ももの前後の筋肉の硬さに差がありすぎると、
大腿骨と脛骨の、前後の位置関係にズレが生じることもあります。
本来なら、膝を完全に曲げ切るまで、バッティングしないはずの
両骨の一部分が、どこかで接触してしまうことにつながります。
膝のクッション役の半月板が、加齢とともに擦り減る、
変形性膝関節症(OA)
などのケースでよくみられますが、
太ももの筋肉の硬さ違いが潜んでいても、大腿骨ー脛骨の
前後ズレを招き、
膝が完全に曲げられない、
正座ができない、
ということになることがあるのです。
この太ももの前後の筋肉の硬さの違いは、日常生活における、
脚の使い方の癖や、スポーツでの動きの特性などによって、
偏りが生じる場合もあります。
ほったらかしにせず、筋肉のバランスを整え、
膝の痛みと曲がり具合に影響を及ぼさないように、
ケアすることが肝要になります。