”もみ返し”を回避するには?
肩こり、腰痛をはじめ、身体が辛い、疲れた、
何だかコリ固まっている気がする・・・
こんな時に、指圧やマッサージを受けて楽になった~
という経験をされたことはあるでしょうか?
逆に、楽になるどころか、かえって痛みが増したとか、
余計に辛くなったという経験をされた方も、
いらっしゃるのではないでしょうか?
この場合、いわゆる、
”もみ返し”になってしまったかもしれません。
この”もみ返し”、
簡単に言うと、
押したり揉んだりの刺激が過剰になりすぎて、
筋肉の繊維を包む膜(筋膜)や、
筋繊維自体に傷をつけてしまった状態、
と考えられるのが一般的です。
ある意味、人為的に筋肉に炎症を起こさせてしまったと、
言えるかもしれません。
”そこを押される(揉まれる)と、あ~効く効く~・・・”
こんなとき、思わず、”もう少し強くやって下さい!!”と、
言ってしまったことはありませんか?
この、もう少し、あるいは、もっと強く・・・の一言が、
もみ返しを引き起こしてしまうきっかけになることも多々あります。
ですが、強い刺激のすべてが、もみ返しをもたらすかというと、
そういう訳でもありません。
もみ返しを起こすか起こさないかの違いは、
刺激量の強弱だけでなく、筋肉の繊維に対して、
どのような方向でアプロ―チするかによっても、
結果が違ってくる!
のです。
筋肉に対して垂直に押したり、筋繊維に沿って押したり・・・
であれば、もみ返しのリスクはそれほど高くはありません。
しかし、筋肉の繊維の走行に対して、
横に交差するような方向に、少し強めに刺激を入れすぎて、
さらには長い時間グイグイと揉み続けてしまうと・・・
もみ返しを起こしてしまう可能性が高まってきます。
例えば・・・
座った状態で、ご自身の太ももを親指で少し押してみて、
そのまま、膝側から足の付け根(股関節)側へと、
親指をずらしてみて下さい。
これは、筋肉の繊維に沿った押し方・揉み方になります。
一方、太ももを押している親指を、内↔外にグリグリと、
揉んでみて下さい。
こちらは、筋肉の繊維に対して、横に交差する方向の刺激になります。
次は、首の後ろを例にしてみます。
首が凝った~とか、寝違えたみたいで・・・というときに、
首の後ろに指を当て、
頭↔背中の方向で動かせば、筋繊維に沿った押し方になり、
内↔外の方向に動かせば、筋繊維を横切る押し方になります。
刺激量が強すぎることだけが、
もみ返しのきっかけになる訳ではなく、
上記のように、筋肉の繊維に対する刺激の方向も、
術後の結果を左右する重要な意味を持っているのです。
とにかく強く揉んでもらえれば・・・
たしかにその時は”効いた~!!”と感じるかもしれませんが、
油断をすると、大きな落とし穴が待っているので、
刺激量は、腹八分目にとどめておくことが肝要です。