入浴のすすめ!
夏が終わって暑さ寒さも彼岸までの言葉通り、朝晩の気温も下がり
お風呂に入って湯船に浸かった後も汗が引かなくてという事は
なくなり、シャワーで済ませていた方も湯船に浸かろうかと
思う今日この頃です。
入浴は、身体の汚れや汗を洗い流すことの他に、一日の疲れを
取りリラックス出来る貴重な時間です。また、肩こり腰痛など
身体の不調の緩和にも効果があります。
日本人の風呂好きは、身体を温めることが健康的であると
古くから知られていて、そのことが日本人の寿命を延ばして
来たと言われています。
身体を温めることは免疫力を高める効果があり、入浴することで
免疫細胞い体温より高い温度の刺激を与え免疫力の活性化を
促しているのです。
風呂の歴史
お風呂の歴史は古く6世紀ごろ、仏教とともに中国から伝来した
といわれています。仏教では、お風呂に入ることを
「七病を除き、七福を得られる」と説かれていることからも
お風呂に入ることは、健康に良いと考えられていたようです。
仏教の寺院では「身体を洗い清める」大切な業の一つとして
浴堂が備えられるようになり、浴堂のない庶民にも入浴を
施したことから始まったと言われています。
江戸時代までは、「お風呂」と「お湯」が区別されていて
「お風呂」とは釜でお湯を沸かしてその蒸気を浴槽内に
送り込み、熱い水蒸気で身体の垢を浮き上がらせて適度な
時間に室外に出て、笹の葉などで身体を叩いたり撫でたり
して垢を落とし近くに用意したぬるま湯や冷水で身体を
洗うというもので、「湯」とは今日一般の家庭の風呂や
銭湯と同じであったそうです。
◊お風呂の豆知識
風呂敷・・・風呂敷は足利時代の大名が入浴する時、他の大名と
衣服を間違えないよう家紋を印した布で衣服をくるみ、
湯上りにその上に座り身繕いしたことから、風呂の
敷物として風呂敷と呼ばれるようになりました。
浴衣・・・・寺院の浴堂では大勢の人々が入浴するため、
風紀衛生上良くないという理由から、入浴者は仏典に
従って必ず明衣(あかは)という白布の衣をまとって
入浴していました。
その着物を湯帷子(ゆかたびら)と呼ばれていたことから
湯帷(ゆかた)となり、転じて浴衣(ゆかた)と呼ぶ
ようになったと言われています。
入浴の効果
お風呂は、お湯の温度によって身体に対する効果が違って来ます。
お湯に浸かると、心身ともにリラックス出来るのは身体に三つの
物理作用(温熱・水圧・浮力)が働くからです。
この作用を上手に利用すると、より一層の入浴効果がえられます。
Ⅰ 温熱効果
・低めの温度・・・筋肉の緊張緩和と血液循環が良くなり、身体の芯から
温まります。
心身ともにリラックスして自律神経の副交感神経が
活発になります。
・高めの温度・・・自律神経の交感神経が刺激されて新陳代謝が促進し、
心身ともに活動的になり眠気を一掃します。
また、疲労物質である乳酸を減少させる作用もあります。
その日の気分や体調に合わせてお湯の温度を調節すれば、今まで以上の
入浴効果を体験出来るでしょう。
Ⅱ 水圧効果
入浴中、湯船に入ると全身に水圧がかかり横隔膜が上に押し上げられ
肺の容量が減少します。それに伴ない静脈やリンパ管も圧迫されます。
湯船から出ると水圧がゼロになるので、手足の先まで一気に血液が
流れ全身の血流がよくなります。
Ⅲ 浮力効果
湯船のお湯に浸かると浮力が働き、身体が軽くなります。
浮力で身体が軽くなると、心身共にリラックスして
自律神経の副交感神経が優位になりストレス解消の助けに
なることと、血管が拡張して血流がよくなります。
また、筋肉・関節への負担が減少すると同時に血流の改善で、
筋肉の痛みの緩和と関節の可動域が広がります。
Ⅳ 自律神経の乱れの回復
摂氏38~40℃のぬるめのお湯にゆっくり浸かると、
自律神経の副交感神経を優位にする作用があり、心身の緊張が
緩和されゆったりとした気分になります。
そして、ストレス解消や寝つきの悪さなどの睡眠障害の
改善に効果があります。
(※就寝1~2時間前の入浴は、寝つきを良くする効果があります。)
Ⅴ 肩こり・腰果痛の緩和、疲労回復の効果
摂氏38~40℃の温めのお湯に長く浸かると筋肉の緊張緩和と
血流の促進で、疲労物質が早く取り除くことが出来るので筋肉の
痛みの緩和と疲労回復の効果があります。
Ⅵ これから仕事をするときの効果
摂氏42℃以上の熱いお湯に浸かると、自律神経の交感神経を
刺激して心身の緊張を高めるため、活動的になる効果があります。
(※ただし、熱いお湯に長時間浸かることは避けましょう。)
入浴の危険性
ⅰ お湯の温度を42℃以上の高温は出来るだけ避け、
入る時は短時間で済ませましょう。
ⅱ 高温のお湯に長時間浸かっていると脱水症状が進み、
血液が濃くドロドロになります。
(※脱水症状を防ぐには、入浴前後にコップ一杯のお水を
飲むことを心掛けましょう。)
ⅲ 血液が濃くなれば、脳卒中や心筋梗塞が発症しやすくなります。
ⅳ 血圧や脈拍・呼吸が変動しやすい朝、高い温度の入浴は
出来るだけ避けるようにしましょう。
身体に多くの効果がある入浴、ご自分の体調や気分によって
お湯の温度や湯船に浸かる時間を変えて入浴を楽しみ、
心身共に一日の疲れを癒しましょう。