肩こりと胸側のターミナル
肩が凝った~というときに、
おもむろに手を当てて揉んでしまいたくなるのは、
肩のてっぺん辺りになると思います。
ですが、同時に、忘れてはならない大切な場所があります。
それが、胸側のターミナルとなる、とある場所です。
場所はどこかといいますと、おおよそ、鎖骨の下で、
肩関節の丸い輪郭の前側で、少し内側寄りの所になります。
なぜターミナルか?
その部分には、複数の筋肉が集まっており、
その筋肉たちは、長時間のデスクワークの姿勢などにより、
ず~っと固まり続けてしまう可能性があるのです。
このターミナル的な場所は、
烏口(うこう)突起という、肩甲骨の一部となる、
骨の出っ張りになります。
肩甲骨って、背中側にあるんじゃないの?
と、思うかもしれませんが、この烏口突起は、
肩甲骨の一部でありながら、胸側に突出しています。
ここに集まってくる筋肉たちには、
烏口腕筋(うこうわんきん)
上腕二頭筋・短頭(じょうわんにとうきん・たんとう)
小胸筋(しょうきょうきん)
などがあります。
これらの筋肉が働き続ける姿勢がどんな格好かというと、
何かを抱きかかえるような姿勢になります。
パソコンのキーボードを打ち込んでいる時の姿勢を、
思い出してみて下さい。
何となく、何かを抱きかかえるような格好に似ていませんか?
要するに、二の腕(力こぶの筋肉がいる所)と、
鎖骨との距離が近づくような姿勢が長く続くと、
烏口突起というターミナルに集まってくる筋肉たちが、
腕のポジションを維持する為に、
ずーっと縮み続けなければならないのです。
その結果どうなるかというと・・・
肩の内巻き込みや、猫背感が助長されやすくなります。
このとき、肩甲骨の位置はどうなっているかというと・・・
胸側の筋肉たちの凝り固まりにつられて、
定位置よりも外側にスライドすることになってしまうのです。
すると、肩のてっぺんはどうなるか?
凝った感じも強まるとは思われますが、
どちらかというと、触った感じでは、
筋張った感じのコリとして感じられるかもしれません。
よく肩こりに悩まされるから、
マッサージに行って揉んでもらったりするんだけど、
なかなかスッキリしなくて・・・ということはありませんか?
そんなときは、胸側のターミナルである、
烏口突起周りの硬さを除去するためのアプローチが、
ちょっと足りていないのかもしれません。