ひびも骨折!?
ケガをしてレントゲン撮影をした後、
「ひびで良かったー、骨折じゃなくて良かったよ。」
というセリフを聞くことがあります。
ん!ちょっとまって、ひびも立派な骨折ですよ。
確かに骨折とは骨が折れると書きますが、骨折ってポキッっと折れたものだけをさすのではあり
ません。骨折の定義は{骨組織の連続性が完全あるいは部分的に離断された状態}のことをい
います。要は骨に傷が入った状態をさすのです。
ひびも定義から言えばりっぱな骨折なのです!
では、ひびが入ったとはどのような骨折の状態をさすのでしょうか?
次の写真のうちでひびと言えるものはありますか?
まず③は完全に骨折の線が反対側までぬけており、ずれもあるのでひびとは言えません。
では①はどうでしょうか?一見するとひびが入った状態と見えなくもないですが、ひびとは部分
的に傷ついているものを指し、骨の連続性が完全に断たれたものの事を言うのではありませ
ん。なので不全骨折といいます。それにたいして①は骨折線が完全に一本の骨を横断してい
ます。こういったものは完全骨折と呼ばれます。しっかりとした固定をしないと骨がずれていく可
能性があります。
②は骨が折れ曲がっているので一般的な骨折の形に見えますが、実はこれが一番ひびの状
態に近いものになります。これは成長途中の子供の骨で、ボキッと折れているというよりクニャ
っと曲がっている状態です。骨の連続性は保たれているので不全骨折になります。ひびとは言
いがたいですが、完全・不全の定義に当てはめればひびと同じ不全骨折になります。
このように、骨折の定義は難しくその後の治療の方針も折れ方、折れた場所、年齢等により変
わってきます。不全骨折も完全骨折もしっかりと治療をしないと、場合によっては後遺症を残し
てしまうおそれがあるので、必ずお医者さんや整骨院の先生の指示に従うようにしましょう。
ちなみに不全骨折は子供に多く、大人の骨折は完全骨折である場合が多いです。こんな事
で?というちょっとした事でも骨折は起こります。ひびという言葉に惑わされないように!!
ケガをした時、何か少しでもおかしいと感じたら医療機関へGO