ジャンパー膝・ランナー膝
≪ジャンパー膝≫
初期は運動開始時に膝の下が痛くなりますが身体が温まってくると痛みがなくなってきます。
症状が進んでくると運動中常に痛くなり、ジャンプ動作で強く痛むようになります。
また、何もしていない状態でもズキズキと痛みが出てくるようになります。
≪ランナー膝≫
初期はランニング後に膝の外側に痛みが出現し、休むと痛みはなくなります。
症状が進んでくるとランニング中にも痛みが出るようになり、運動後も痛みがなかなか治まらなくなります。
バスケットやバレーボールなどの繰り返してジャンプをする選手に多く見られるジャンパー膝(膝蓋腱炎)と、
長距離走者に多く見られるランナー膝(腸脛靭帯炎)などのスポーツ障害(使いすぎ症候群)は、
スポーツ動作の繰り返しにより、同じ場所への負担が繰り返されることで、
痛みなどの慢性的な症状が発生したものです。
ジャンパー膝では大腿四頭筋、ランナー膝では大腿筋膜張筋の柔軟性が低下していることが要因の一つです。
初期の症状では、運動後のアイシングをしっかりと行い、それぞれ柔軟性が低下している筋の
ストレッチをしっかりと行うことが重要ですが、初期では症状が比較的軽いため、
ケアや治療が遅れてしまうことが多く、悪化させて長引いてしまうことがあります。
基本的な治療方針は、急性期のアイシングや疼痛に対する電気治療、筋の硬結に対しての超音波などを行ないながら、
主な原因の一つである筋の柔軟性低下に対してストレッチを行っていきます。
急性期が過ぎた時点で、荷重ストレスを回避するように運動療法とフォーム指導を行ないます。
股関節周囲の筋力強化は下肢のスポーツ障害全般に重要なため、積極的に行っていきます。
再発予防のためにはウォーミングアップやクールダウンを徹底していくことが重要になります。
また、過剰な反復動作や、固い床面などを避けるように意識していくことが大切です。